バロンの瞳5 こいつはほんとうに

「お前はバロンだな」

ふと、後ろから聞かれて。俺はふりかえらずそのまま歩いた。
数歩歩いたところで向こうからニアが見えた。
(こっちにくるな)
俺は舌打ちし、うしろの面倒そうなやつの攻撃魔法を避けてかわした。
町中でいきなりこいつ撃ちやがった。

「何だお前は」
「バロンなんだな。とうとう見つけたぞ」
「アクセル!大丈夫なのか!?」

「ほう。欠片はそろったようだな。さて、早速バロン殿にはご同行願おうか」
「なにいってるんだこいつ」
「さぁ何言ってるのか。俺人違いだといいたいが」
魔道士風の男はこちらに突っ込んできた。

俺はなんなくよけれた。
しかし、ニアはその男の魔力で封印の結晶球のなかに吸い込まれた。

「おまえはエクソシスト」
「ちがいます。あなたとはるか昔に契約を結んだ。ガロンです」
「覚えちゃいないな。それよりニアを返せ」
「あなたの核ですか?これは人質です」
「ニアは………」
人質の意味を成さないぞという言葉が喉の奥から出てこなかった
「核は、意味を持たない」
「ほう、どういうおつもりで?」
「俺は魔神であること。イフリートを捨てた。だからそれに人質の意味はない」
「では。消えても結構ですね」
ニアの結晶体がミシミシ言う
「やめろ。核は関係ない、しかもそいつは更に関係ない」
「変わりましたねバロン殿。ではこうしましょう。あなたが魔神になってくれるなら。この子は解放いたしましょう」
「いいだろう。」
鉛の瞳が取り除かれる。そして、アクセルはそれを吸収した。
「さぁ、お前の望みをいえ。楽にはしないぞ。」
「私を開放してください。随分昔にあなたと契約して。死ねないのです」
「はっ。安い望みだ。もろとも開放して死んでもらおう」

解放シーンと胸に手を当てて。どす黒い魂が開放されていく。

「まったく。こんなくだらないことで魔神になっても」
ニアを取り出す。
ニアが目を覚ます「ん。さっきの怪しいやつは」
「人違いとわかり逃げてった」
嘘です。消し炭です。
「そうか。あれ。ああああ。俺のガムランボールの玉消えてる。どっかに落としたか?」
「なんだ?それ」
「鈴。あれだ中にいれてたんだきれいな赤いような青いような鉛とてもきれいだからきっといい音色がなるって思っていれてたんだが。アクセル。片目灰色の瞳だったのに。今日はなんか雰囲気違うな!」
「なおっちゃったからな」
魔神にもどったから。か。

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