ニケの旅 肉に税金がかかる街


鉄の街トロントに行ったニケたちは、この街の様子は何かおかしいと思う。
「パイはいかが?」
と配られていたのをヴァンと李猫が食べた直後、ゆっくりと水路の影に行くのを見る。
ニケたちがついていくと、吐いている。
「これ、人肉だ」
「さすが、知識人。あくなき知識で」
「食べたのは初めてさ。なんとなくわかったさ、食べたらいけない肉だって」
気分の悪い二人を置いて、ニケとニコルがそしらぬ顔で街を探検してくる。
「この街は肉に税金がかかっているらしい。あのミートパイは唯一税金がかからない肉を使ってるとかで、名物だとか」
そしてもう1つ。
「ここで行方不明になった人とかは碌な捜査もなく打ち切られているとか」
「誰の情報さ?」
「肉が高いのはうわさ話。旅の一座が消えたことについての捜査には、騎士団が門前払いを食らってた」
「騎士団を門前払い!? 命知らずな」
「今夜泊まらずに、このまま次の街へいこう。野宿のほうがマシだ」
外に出るとすでに街の人たちが刃物をもって待ち構えている。
ニケはニコルをつかんで走り、アグロを呼び、アグロのほうにニコルを投げる。
「そのまま逃げろ!」
ヴァンとニケと李猫が背中合わせで街の人を蹴散らす。
「これ、キリがない。こっちが弱るまであいつらじりじりやってくるさ」
「慣れてるな。これで旅人をミンチにしてたのか」
ヴァンが諦めたように息をついた。
「仕方ない、呪術を使うか」
一気にばたばと倒れる街の人たち。
「今のうちだ!逃げるぞ」
「うわぁみんな倒れた、にげろー!」

「ヴァン何したさ?」
「え、じゅじゅちゅ」
「舌噛んだ。何さ?」
「じゅじゅちゅ」
「舌また噛んでるさ。何の術さ?」
「ただの、強烈な睡魔の術」
てっきり何か禍々しい術をつかったのかとおもいきや、ただの睡魔か。
「あの街にはもう近づきたくないな」

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