ニケの旅 仲間はいらない

よそよそしく離れていこうとするニケを李猫が追ってくる。
「俺はお前たちといっしょにいられない」
「なんでさ!? 今までいっしょだったさ」
お前たちに迷惑がかかるからだ。そう言ったら彼らは絶対についてくるだろう。
「どうでもいい奴らだからな」
ついに李猫と喧嘩になった。
それでもいい。迷惑をかけずに死のう。
一人で歩いていると、兵士に囲まれる。
「お前は昨日オーギュスタン様を殺した悪党だな」
「違うさ! オレとニコルがこいつといっしょにいたさ! いっしょにいたさ!」
「僕たちはニケさんといっしょにいました!」
追っ払ったはずの二人が庇いにきた。
オーギュスタンの私兵団が李猫とニコルも巻き込んで、一斉に弓を放った。
その瞬間、視界が羽で隠れた。
飛び散る羽の中で、呻く兵士たちの間をぬってニケたちは逃げた。
「片翼の男は角のある子どもを守るらしいです」
とニコルが伝承を話す。
ニケはバカバカしいと笑った。
「伝承だろ。だったらみんな助かってるはずだ」
ルネは死んでしまった。

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